2018年10月から開始した当クラブも早2年が経過し4月からは3期目を迎えることができます。会員数も少しずつ増え嬉しい限りです。

もう3年以上前のことになりますが、クラブ設立に向けて動き出したあの時のことを思い出します。前職では仕事の傍、休みを使って陸上競技の普及活動や強化指導を行ってきました。しかしながら単発の技術指導だけではその場限りの強化にしかつながらず、長い目で見て選手の育成にならないと強く思いました。また、もっと寄り添った指導をしてあげられればあの時の選手は自身の目標にもっと近づけたのではないか。という後悔もありました。

2018年9月初めての当クラブの体験会ではたくさんの方にご参加いただきました。拙い説明で自分でも何を言っているかわからなくなりながらも私の陸上競技に対する強い想いをうんうんと頷きながら聞いてくださった保護者の方の顔を今でも昨日のように覚えております。あの時、誰も私の話にうなづいてくださっていなければその後の度重なる苦難と苦悩を乗り越えて今に到ることはできませんでした。
本当にありがとうございました。

こども陸上クラブホップ 代表 川辺 真

※文章が長くてすいません

人間力を育てたい

今では全国的にも元陸上競技者が教員という道以外でスポーツを指導するというのは本当に増えてきました。私の知り合いでも運動会の前になると出張のかけっこ指導をしている人がいます。
個別指導は当クラブでもやっておりその良さはたくさんあります。

それは理解した上でクラブとして複数人一緒に定期的に集まって練習をすることの意味は一言でいうと「人間力」を育てるためにあります。

中学高校に入ると、小学生の時よりも先生1人に対してのこどもの数が増えます。大人になればなるほど自分のために時間を割いてくれる人に出会うためには自ら「あいさつ」をして、「手を上げて」と動かなければなりません。当クラブでも前に出て何かをやってもらう機会をできる限り作っていますが、それもその子の人間力に繋がると考えてのことです。

指導の中の一つの軸として陸上競技を用いたい

学校等では規律を守る場所として◯を付けられない行動も、陸上競技(スポーツ)を行う上では◯になることがあります。もちろん脚が速ければ周りのことを考えずに何をしてもいいという理由にはなりませんが、競技を行う中で周りが見えなくなるほど夢中になって努力できることは一つの才能です。

当クラブは陸上教室ですので、陸上競技の選手として良い行いであれば学校では×のことも◯をつけることができます。より上のクラスであればあるほど才能を伸ばす方向に指導をシフトしたいと考えています。

様々な運動から脚が速くなるためのヒントを掴ませたい

こどもたちから「脚が速くなるための練習がしたい!」(今の練習が脚が速くなるための練習ではないと感じてか?)とよく声を聞きます。
直接的な練習は即効性のあるトレーニングになりやすいですが、さらに上のレベルを目指すためには「今」と同時に「未来」を見据えた練習内容が必要だと考えています。

バスケットボールのレイアップシュートの動作が跳躍系競技の踏み切り前の助走のリズムに似ていたり、野球のバッティングの腰の回転がカーブを走る時の地面を捕らえる動作に応用できたりと陸上競技以外のスポーツからも競技力につながるヒントが得られると考えています。

だからこそ、他のスポーツと兼ねることを禁じませんし、クラブの練習ないでもボールを用いたり全く別のスポーツの動きを取り入れたりしています。

一人でも多くの人に自分を越える喜びを

なにより陸上競技の素晴らしさは記録が出て、過去の自分と今の自分を比べることができ、成長を実感できることにあると考えています。
かけっこ大会を軸に、前回よりどの程度脚が速くなったか比べられるよう練習を組み立てています。

私たちは陸上競技の素晴らしさをもっと多くの人に伝えたいと考えています。決して陸上競技が脚が速い人のためだけのスポーツであってはならない。そのように考えています。また、同時に、団体競技や球技、相手との駆け引きが必要な競技だとなかなか結果を出せないこどもたちも(かつての私がそうであったように)陸上競技なら頑張れる可能性もあると思います。

もちろん、全員ができるとは言い切れませんが、できるかぎりのこどもたちをこのクラブで救いたいし、スポーツの楽しさを感じてもらいたいと考えています。