こんにちは。ホップ公式ブログ編集長の坂本です。

わが子に陸上を習わせようかなと思った時、まだ早いかなとか、今さらもう遅いかなとか、疑問に感じる人も少なくないはずです。そもそも、陸上っていつから始めたらいいのでしょうか。

そこで今回は、川辺代表、および原井ヘッドコーチに聞きました。結論から言えば、

「かけっこなど体を動かす機会は就学前からたっぷりと」

「競技を絞り込んだ本格的なトレーニングは高校生くらいから」

という感じでした。詳しくは以下に紹介します。

土台づくりは早く、専門的な練習は遅く

冒頭の言葉を繰り返しますが、陸上って一体、いつから始めたらいいのでしょう? 

わが子に陸上を始めさせようと思っている保護者はもちろん、ホップですでに始めさせていて「育成クラス」にいつから上げさせようか迷っている保護者にも気になる問題ではないでしょうか。

ピアノ、バイオリンなどの楽器で成功した偉人のエピソードでは、3歳とか4歳とかに習い始めたみたいな話をよく耳にします。

同じスポーツでも、有名な野球選手が、ノックやキャッチボールを子どものころから親と一緒にしていたみたいな話も聞きますよね。

オリンピック選手とまではいかなくても、北信越の大会や国体に出場する選手にわが子がなってくれればと心のどこかで期待している保護者からすると、とにかく早く始めて、とことん練習させた方が成果が出そうなイメージを持つかもしれませんが、実際はどうなのでしょう。

そこで、川辺代表に聞くと、

「土台をつくる練習はできるだけ早く、専門的な練習はできるだけ遅く」

といった答えが返ってきました。一体、どういった意味なのでしょう?(以下は、川辺代表のお話)

「『陸上を始める』と言っても、陸上の練習が何を意味するのかによって答えが変わります。

例えば、ドリルのような反復練習をひたすら繰り返す、記録を追い求める、いわゆる『ザ・陸上練習』を意味するのか、それとも、体を動かす機会を増やし、走る楽しさを体感する練習を意味するのか。

前者の場合、日本陸上競技連盟の競技者育成指針にも書かれているように『できるだけ遅く始めさせる』が正解だと僕は思います。

日本の陸上選手は、U20(20歳以下)の世代までは世界でも圧倒的に強いです。しかし、その後の年代で世界に追い抜かれます。年齢の早い段階で、専門競技を絞り込んで、それに特化した練習を頑張らせすぎると、年齢の早い段階では結果は出るのですが、その後に伸び悩んでトップ戦線から脱落していく傾向が顕著に見られます。

日本陸上競技連盟の強化指針で『頑張らせすぎないでほしい』とメッセージが出ているように、少なくとも高校生になる前に、専門的なプログラムで追い込むような練習は控えた方がいいと思います。

だからといって、何も体を動かしていない子どもが、高校生くらいになっていきなり陸上を始めても、トップ戦線には絡めません。極端な例で言えば、運動の経験が乏しくスキップもできない状態では、トップ選手にはさすがになれないのです。

その意味で、外遊びでも他のスポーツでもなんでも構いません。小さいころから走る機会をたくさんつくって、陸上の土台を育ててもらえればと思います。

もちろん、その選択肢の1つとして、ホップの導入コースを選んでいただければうれしいです」(川辺代表)

育成コースも陸上の土台づくり

とはいえ、ホップには「育成コース」もあり、小学校高学年の子どもたちがたくさん通っています。

「専門的な練習はできるだけ遅く」という日本陸上競技連盟の強化指針が正しいのであれば、小学校高学年で「育成コース」に通わせると、頑張らせすぎ・鍛えすぎにならないのでしょうか。

この疑問は、多くの育成コースを担当する原井ヘッドコーチに聞いてみました(以下は、原井コーチのお話)。

「まず、育成コースの練習は、川辺代表が言っている専門的な陸上の練習ではありません。

『あたりの感覚を幾つも育てる』という言葉を練習時に私は使っていますが、10メートルを走る、300メートルを走る、ジャベリックボールを投げる、ハードルを跳ぶなど、さまざまな身体活動を通じて幾つもの身体感覚を引き出し、磨き上げ、定着させる練習をしています。

分かりやすい例で言えば、このくらいの強さでボールを投げればなんとなくこの方向にこのくらい飛んでいくという感覚をつかんでもらい、その感覚の精度を高めていくイメージです。

投げる以外の身体活動でも『こんな感じかな』という感覚をどんどん増やし、さらに伸ばしていきます。つまり、育成コースの練習も、陸上の土台をつくる内容なのです。

ただ、導入コースよりも育成コースの方が練習時間も長くなり運動量が増えます。基礎体力の点から見ても、育成コースへの進級のタイミングはコーチと相談の上、決めるといいと思います」(原井コーチ)

親としては、周りと比べてわが子の足が速いと、その方面で将来を期待してしまいます。期待が大きいほど「少しでも早く英才教育を」と思ってしまいますし「もっと速くなれ」と成果も求めたくなってしまいます。

しかし、コーチたちの言葉は正反対でした。

  • 本格的な練習はできるだけ遅らせる
  • 目先の結果を求めず、陸上競技に将来向かうための土台をじっくりと育む
  • 本格的な陸上競技の訓練は高校生前後から始めればいい

との話。

「陸上っていつから始めたらいいの?」という素朴な疑問に対する1つの答えとして、ぜひとも参考にしてみてくださいね。

文:坂本正敬

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