県内外の陸上強豪校や陸上クラブへ繰り返し出かけて、視察や見学を続けているホップのコーチ陣。今回は、コーチ陣がどうして県内外へ足を運ぶのか、川辺代表と原井ヘッドコーチに聞きました。

強豪校のマインドを教室に持ち込む

週一、場合によっては週二回のレッスンで顔を合わせるだけではなかなか分かりにくいかもしれませんが、ホップ代表の川辺コーチも原井ヘッドコーチも年間で複数回、全国各地の陸上強豪校や大会等で結果を残している同世代向け陸上クラブを訪れ、情報交換や学びを繰り返しているとご存じでしょうか。

「私たちが視察を繰り返す理由は第一に、強豪校の指導方法やコーチ陣の声がけの中に、自分たちのクラブで生かせる部分がないかを学びに行くためです。例えば、強豪校のコーチ陣は、一律に褒める・一律に厳しく接するなどの声がけをしない場合が目立ちます。子どもによって、アプローチの方法を変えているケースも多いです。

正解や方向性を最初からずばりと示す場合もあれば、あえて考えさせる場合もあります。そうしたコーチ陣の言葉遣いを学び、自分たちのクラブに落とし込んでいます。

さらに、強豪校の雰囲気について、子どもたちに知ってもらいたいという理由もあります。強豪校では、真剣にやっていない人がいません。仲間の応援をしない人もいません。二人一組で練習する時も、お互いがお互いを高め合い、出し惜しみなく全力で練習に取り組みます。結局、全力で取り組んだ方が、つらいけれど楽しいと分かっているからです。

クラブ生の中でも中高生の場合は、強豪校に連れて行き、雰囲気を見てもらうケースもあります。小学生はさすがに連れていけないのですが『自分一人で頑張るよりも、周りからの応援があった方が力が出るよね』などと繰り返し言葉で伝えて、各クラスに参加してくれる子どもたちの多数派を、強豪校と同じマインドに育てていこうと努力しています。

強豪校と同じ雰囲気やマインドに子どもたちの多数派がなってくれれば、残りの子も引っ張られて同じように振る舞ってくれるからです」(川辺コーチ)

「いい」と感じたトレーニングをアレンジして落とし込む

視察について、原井ヘッドコーチはどのように考えているのでしょうか。

「私の場合は、同年代の子どもが通うクラブチーム、結果を残しているクラブチームに行って、指導のヒントを得る場合が多いです。例えば、私のクラスでやっているサーキットレースのトレーニングは、岩手のクラブチームがやっていました。

小学生のうちは、神経系の発達がいちじるしい時期です。その年代の子どもたちに、感覚刺激を入れるための最適な練習を探していました。岩手県のクラブチームに視察に出かけた時、同じ狙いと目的でサーキットレースを取り入れているクラブを見たので、ホップでも導入しようと思いました。

ただ、私も川辺も同じですが、何かのトレーニングを見ていいと感じたからと言って、そのまま導入するケースはまれです。サーキットレースで言えば、練習の狙いと目的は一緒でも、岩手県のクラブの場合は高学年向けの強度の高いプロブラムだったので調整が必要でした。

ホップの導入クラスに通う低学年向けに強度を調整し、刺激したい器官を考慮した上で、練習プログラムを調整しています。

それこそ、練習プログラムを検討する段階では、かなり突っ込んだ議論が川辺と私の間で行われます。ミニハードルを設置するにしても、どのように設置するのか、なぜ設置するのか、細部に至るまでディスカッションして指導プログラムをつくっています」(原井コーチ)

子どもたちの成長を願い、全国各地の強豪校や陸上クラブを巡って、いい部分を学び、自分たち流にアレンジして、ホップの各クラスに落とし込んでいる様子がよく分かりました。

お子さまに陸上を始めさせようとクラブを探している保護者の皆さま、ホップでは、指導者自身も学びを継続して子どもたちの成長に尽くしています。コーチ陣自身がどのくらいの学びを続けているのか、クラブ選びの際の参考にしていただけると幸いです。

文/坂本正敬(ホップ公式ブログ編集長)

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